地域ボランティア活動への参加と、地域での評判の関係とは?  ~2015年度大学院生支援プログラムより(2)|『大学院生調査研究レポート』

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2016.05.19|2015年度 |

地域ボランティア活動への参加と、地域での評判の関係とは?  ~2015年度大学院生支援プログラムより(2)

今回は2015年度にお手伝いさせていただいた研究の第2弾。地域のボランティア活動についての研究成果をご紹介します。

皆さんのお住まいの地域でも、さまざまなボランティア活動が行われているかと思います。

もちろん、地域を良くしたいというお考えのもと、たくさんの活動がなされていますが、どうしてもご近所の人からの評判も気になるところです。

ボランティア活動への参加と、地域での評判との関係について、興味深い研究結果が得られました。

地域ボランティア活動への参加プロセス ― 関係流動性の視点から―

東京大学大学院 人文社会系研究科  岩谷 舟真

ボランティア2 住宅地.jpg

■研究内容

 人々が地域ボランティア活動(地域美化活動等)に参加するに至るプロセスを探る

■実施した調査

 全国の20~69歳男女で、「居住地流動性が高い地域(北海道、東京都、福岡県)」「居住地流動性が低い地域(秋田県、山形県、富山県、福井県、和歌山県)」それぞれに住む人にインターネット調査を実施。各500人を回収。


 私たちが暮らすコミュニティには、美化活動や防犯活動など様々な地域活動が存在します。本研究の目的は、こうした地域活動の参加を促進する要因を解明することです。こうした活動は、「地域を良くしたい」という気持ちに基づく、ボランタリーな活動だと考えられがちです。しかしながら、全ての参加者がボランタリーな気持ちに基づいて地域活動に参加しているとは限りません。「活動に参加しないと評判が下がる」といった評判予測が、地域活動を促す要因であるという可能性も考えられます。

 本研究では、評判予測と地域活動参加の関係を検討しました。とりわけ、居住地の流動性(引越する住民の割合の高さ)に着目して検討を進めました。

 居住地の流動性が低い地域、すなわち、多くの住民が引越しを行わず、また新しく転入する人物も少ない地域では、一旦近隣住民から嫌われてしまうと、その地域で孤立してしまうおそれがあります。こうした議論を参考にし、本研究では、「居住地の流動性が低い地域の住民は、活動不参加に伴う評判低下の可能性(リスク)を高く見積もり、その結果、地域活動に参加する」という仮説を検証しました。

 平成22年国勢調査(総務省, 2012)に基づき、5年前と同じ住所に暮らす人が多い都道府県を「居住地流動性が低い地域」、5年前と同じ住所に暮らす人が少ない都道府県を「居住地流動性が高い地域」とした上で、それぞれの地域から500名ずつ、20歳代から60歳代の方、合計1000人に調査に回答していただきました。

 結果は、仮説を支持するもので、「居住地の流動性が低い地域の住民は、活動不参加に伴う評判低下の可能性(リスク)を高く見積もり、その結果、地域活動に参加する」ことが分かりました。

 具体的には、図が示すように、居住地流動性が低い地域では、より地域活動への参加頻度が高いこと(β= -.09, p < .01)、居住地流動性が低い地域では評判低下の予測が大きくなり(β= -.21, p < .01)、それによって地域活動への参加頻度が高まる(β= .25, p < .01)ことが分かりました(Z = -5.65, p < .01)。

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